【茨城県北茨城市】五浦海岸と六角堂、岡倉天心旧宅(東日本大震災前の記録画像)
五浦海岸と六角堂
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ワンデさん |
1. 五浦海岸と六角堂の魅力
1-1. 五浦海岸の風景
五浦海岸は大小の入り江が連なり、太平洋に少し突き出たような地形となっています。
岩場が多く、絶壁となっている箇所もあり、太平洋側の穏やかな波を想像していると、思いがけなく荒々しい波の強さに驚かされます。
その波に削られた地形が美しくも自然の力強さを思わせる風景を生み出しています。
晴天曇天にかかわらず、岩場や洞窟などフォトジェニックな光景を楽しむこともできますので、写真を趣味にしている方にとっても魅力的なスポットなのではないでしょうか。
とは言えども、海のすぐそばの岩場は雨天時など濡れていると滑りやすくなっていることもあります。足元にはお気をつけて散策を!
1-2. 六角堂
※2011年の東日本大震災時に六角堂は津波によって消失しました。 現在は再建されておりますが、当ページの六角堂の画像は2006年当時のものです。 |
美しい散策路のような小道を海に向かっておりてゆくと、赤く小さく美しい木造の建物が目に飛び込んできます。
こちらが、岡倉天心が設計し1902年に建てられた「六角堂」です。
日本の伝統的な建築様式に西洋の要素を組み入れて、独創的で芸術的な姿となっています。
※画像は2006年当時のものです。 |
窓からは崖や木々、あるいは海の景色を一望できる佇まい。
灰色の岩と青い海、木々の緑の中に供えられたような赤がとてもシンボリック。
サイズとしては小さく、一般人である私からすると「堂」というよりも「庵」を思わせる大きさの建物ですが、この小さな空間をもとに、そこから世界へと広がってゆく視点を感じさせてくれます。
天然自然の美しさ静けさとともに雄大さまで味わいながら、心ゆくまで思索に耽ることができる環境だったのではないかと思います。
※画像は2006年当時のものです。 |
岡倉天心旧宅
※画像は2006年当時のものです。 |
2. 岡倉天心と六角堂
2-1. 岡倉天心
岡倉天心(1863-1913)は六角堂を設計した思想家であり文人、文化人でもあります。
美術に造詣が深く、現在に至るまで続いてきた日本の美術史に名を遺した人であり、”西洋は先進、日本は後進”とイメージされて近代化に突き進んでいた時代の中で、日本や東洋における文化や美や思想を守り生き残らせるべしと決意し尽力した人でもありました。
その岡倉天心が1903年、五浦を訪れます。
さらに2年後にはこの地に邸宅と六角堂を建築し、ここを拠点として終生を過ごしました。
2-2. 天心邸
1906年には、さらに日本美術院をこの土地に移し、弟子たちとともに日本美術の伝統を守りながら芸術と哲学を語り、制作や文化活動に勤しみました。
その岡倉天心旧居は平成26年にその周辺地域まで含めて「岡倉天心旧宅・庭園および大五浦・小五浦」として国の登録有形文化財に指定されました。
現在は茨城大学五浦美術文化研究所の管理下にあります。
2-3.茨城大学五浦美術文化研究所
※画像は2006年当時のものです。 |
茨城大学五浦美術文化研究所は、岡倉天心遺跡の管理と、日本の近代美術や内外の文化・歴史研究を目的とする茨城大学の研究機関です。
この研究所は1955年、天心偉蹟顕彰会の会長である横山大観から、天心遺跡(旧天心邸・六角堂・長屋門)の寄贈の申し出を受けて設立されたものです。
訪れる際のポイント
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ワンデさん |
この地域すべてをまとめて「岡倉天心遺跡」と言ってよいのではないかと思えるほど、どこを眺めても美しい光景に出会えます。
さらには画像をあげた「六角堂」「岡倉天心旧宅」「茨城大学五浦美術研究所」などのある一角だけではありません。
南側には「岡倉天心の歌碑」、北側に1kmほど行った先には「茨城県天心記念五浦美術館」および展望台があり、大五浦・小五浦の海岸沿い一帯が美しい景観や美観に溢れており、どこをとっても景勝地です。
さらには観光ホテルもあり、少し先には大津漁港もありますので、宿にも食にも事欠きません。
そうなると、やはり各地へのアクセスには車での移動が便利ですね。公共の交通機関を利用する場合は、電車やバスと徒歩での移動というのも健康的。(※公式サイトなどで運行状況などをチェックすることをオススメします)
この土地で半日から一日かけてゆっくり散策し、写真を撮ったり休憩したりしながら、自然の美、日本の心について思いをはせてみるのも良いのではないでしょうか。
参照
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スコくん |
この土地には他にも、南側に「異人上陸の地」(※ペリー来航の29年前にイギリス人が上陸し捉えられた「大津浜事件」が起きた)、北側には「わすれじ平和の碑」(※風船爆弾放流地跡)など、歴史的遺跡がそこかしこにあってビックリしたニャ…
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